「福利厚生」という言葉を聞くと、社員旅行や各種手当、休暇制度などを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、本当に大切なのは、制度の数や豪華さだけではないのかもしれません。
働く人が「この職場なら長く働けそうだ」と感じられる環境をつくること。
今回は、テレビ番組で紹介されていた企業の取り組みをきっかけに、私自身がこれまで経験してきたB型事業所、中小企業、自衛隊での経験も振り返りながら、「福利厚生」の意義について考えてみます。
1.人手不足の時代に、なぜ福利厚生が注目されるのか
人手不足が続く中、企業にとって「人を採用すること」と同じくらい、「働き続けてもらうこと」が重要になっています。
先日、テレビでヤクルトレディの働き方について紹介する番組を見ました。
その中で印象に残ったのが、子育てと仕事を両立するための環境づくりです。
子育て世代にとって、仕事を続けられる環境があるかどうかは、大きな問題です。
どれだけ仕事に魅力があっても、育児や家庭との両立が難しければ、働き続けることは容易ではありません。
そこで重要になるのが、給与以外の部分で働く人を支える仕組みです。
2.福利厚生は「給料以外の価値」を提供する
福利厚生には、さまざまな形があります。
たとえば、子育て支援、住宅関連の制度、食事補助、休暇制度、健康相談などです。
これらは、直接的に給料を増やすものとは限りません。
しかし、働く人が抱える生活上の負担を軽くすることで、仕事を続けやすくする効果があります。
つまり、福利厚生には、「給料以外の部分から働く人を支える」という役割があるのではないでしょうか。
3.仕事のやりがいと賃金だけでは足りない?
もちろん、福利厚生があれば、それだけで良い職場になるわけではありません。
仕事そのものに魅力があること。
適正な賃金が支払われること。
職場の人間関係が良好であること。
そして、無理なく働き続けられる環境があること。
こうした条件が組み合わさって、初めて「働きやすい職場」につながります。
したがって、福利厚生を賃金の代わりに考えるのは適切ではありません。
「仕事内容+適正な賃金+働きやすい環境」
この3つを総合的に考える必要があると思います。
4.B型事業所で感じた「人を支える」という考え方
ここからは、私自身の経験について書いてみます。
現在、私はB型事業所に通っています。
そこで印象に残っているのは、スタッフが利用者の話を聞いてくれることです。
「良い理髪店に行きたい」
「おいしいアイスが食べたい」
「生活の中で困っていることがある」
こうした日常的な話にも耳を傾けてもらえることがあります。
もちろん、B型事業所の支援と企業の福利厚生は、制度として同じものではありません。
ただ、「その人が無理なく生活や仕事を続けられるように支える」という点では、共通する部分があるように感じます。
働くことだけを見るのではなく、その人の生活や気持ちにも目を向ける。
私は、そこに「人を大切にする」という考え方を感じます。
5.中小企業時代に経験した福利厚生
以前、中小企業で働いていた頃には、会社のバーベキュー大会や野球チームなどがありました。
仕事以外で社員同士が交流する機会です。
普段の仕事では見えない一面を知ることができ、職場の人間関係をつくるきっかけにもなりました。
ただし、こうしたイベントを誰もが望んでいるとは限りません。
社員旅行や飲み会が好きな人もいれば、仕事と私生活を分けたい人もいます。
そのため、これからの職場づくりでは、「会社が用意した福利厚生を利用させる」のではなく、「働く人の多様な価値観に合わせる」ことも大切になってくるでしょう。
6.自衛隊時代に経験した福利厚生
自衛隊にいた頃にも、仕事以外の活動を経験しました。
夏には御宿で海水浴やビーチバレーを行い、冬には白馬方面へのスキー旅行がありました。
普段の仕事とは違う環境で過ごすことで、仲間との距離が近くなることもありました。
今振り返ると、こうした活動も職場での人間関係をつくる一つの機会だったと思います。
一方で、福利厚生には当然、費用がかかります。
だからこそ、単に「たくさん用意すれば良い」というものではありません。
実際に働く人が必要としているものは何なのか。
そこを考えることが、これからの福利厚生には求められるのではないでしょうか。
7.これからの福利厚生に求められるもの
これからは、豪華な社員旅行やイベントだけが福利厚生の中心ではなくなるかもしれません。
子育てと仕事を両立できる環境。
休暇を取りやすい職場。
健康について相談できる仕組み。
仕事や生活の悩みを抱え込まないためのサポート。
そして、柔軟な働き方。
こうした「働き続けるための支援」の重要性が、さらに高まっていくのではないでしょうか。
特に人手不足の時代には、「採用するための魅力」だけでなく、「辞めずに働き続けられる環境」を考えることが重要です。
8.福利厚生は「人を大切にする姿勢」なのか
私は、福利厚生の本当の価値は、制度の数だけでは測れないと思います。
どれだけ多くの制度があっても、利用しにくければ意味がありません。
反対に、大きな制度がなくても、困ったときに相談できたり、事情を理解してもらえたりする職場であれば、「ここで働き続けたい」と感じる人もいるでしょう。
結局のところ、福利厚生とは、会社が働く人をどのように考えているのかを表す一つの形なのかもしれません。
9.「賃金」と「福利厚生」は対立するものではない
ここで改めて強調したいのは、福利厚生と賃金を対立させる必要はないということです。
いくら職場環境が良くても、賃金が低すぎれば生活を維持することは難しくなります。
反対に、給料が良くても、長時間労働や人間関係の問題などで心身の負担が大きければ、働き続けることは難しくなります。
だからこそ、
仕事内容、適正な賃金、働きやすい環境。
この3つをバランスよく考えることが大切です。
福利厚生は、その中の「働きやすい環境」を支える重要な要素の一つだと考えています。
10.「この職場で働き続けたい」と思える環境へ
B型事業所での経験。
中小企業での仕事。
そして自衛隊での経験。
振り返ってみると、それぞれ制度や仕事内容は大きく違います。
それでも、共通しているのは「人と人との関わり」です。
仕事を続けるためには、仕事内容や賃金だけでなく、周囲から支えてもらえる環境も必要です。
これからの福利厚生に求められるのは、豪華さや制度の多さだけではないでしょう。
働く人が「ここなら続けていける」と感じられること。
そのために何が必要なのかを考え、実際に利用できる形で支えていくこと。
それこそが、これからの福利厚生に求められる役割なのではないでしょうか。
まとめ
福利厚生は、単なる「給料以外のサービス」ではありません。
働く人が仕事を続けるための環境を支え、職場への定着にもつながる大切な要素です。
もちろん、福利厚生だけで良い職場ができるわけではありません。
仕事内容、適正な賃金、そして働きやすい環境。
この3つがそろってこそ、「この職場で長く働きたい」と思える環境につながります。
これからの福利厚生は、制度の豪華さを競うのではなく、**「働く人が本当に必要としているものは何か」**を考える方向へ変わっていくのではないでしょうか。
私自身のこれまでの経験も振り返りながら、そんなことを考えています。


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